初めての沖縄旅行記−(2日目-4)沖縄最後の夜と様々な人との出会い
傘をささない若者たち
ひめゆりの塔で沖縄平和祈念公園でしっかり戦争について考えさせられた僕たち。
雨はまだ降り続いて沈黙した車内には雨の音が響く。
「行ってよかったな」
「うん。ほんまに。しかし怖かった」
ポツリポツリと会話はあるものの言葉はすぐに止み、沈黙と雨の音だけが車内を包み込みます。それぞれ観てきたものを受け止める心の隙間を探してる。そんな感じです。
時刻は16時頃。すっかり夕方です。平日なので人の流れが多くなってるように思います。宿泊先ホテルに向かう中、信号待ちで横断歩道を渡る学生達を眺めてるとある事実に気づきます。
傘をさしてない。
「みんな傘さしてなくない?」
「。。え?ほんまや。さしてない。。」
外は大雨とは言わないまでも、小雨とは決して言えない量の雨が降ってます。丸の内OLならダッシュしてるレベルです。知らんけど。学生達はその雨に逃れようともせずまるで雨なんて降ってないかのように堂々と下校していきます。
まさにカルチャーショック。その姿に衝撃を受けながら究極と言える姿を目にします。
歩き読書(もちろん雨)
「えー!!」
車で追い越した少年は雨の中読書をしながら下校するのでした。
歩き読書くんを見送りながら、車内のザワつきと共にゆっくり車内の空気が解けていったと思います。沖縄は色んな景色を見せてくれます。本当にありがとう。
沖縄最後の夜へ
ホテルに戻って1時間ほどそれぞれ休憩し、沖縄最後の夜に向かいます。
先ほどの雨はすっかりあがって雨上がりと共に秋の気配を連れてきてるようです。ロビーに集合した我々はそんな沖縄の空気を吸い込みながら軽やかにかつ無計画にタクシーに乗り込みます。
とりあえず国際通りの入口までと告げて終わる。もちろんどこに行くかも決めてない。焦りは全くなく。むしろ堂々としている。僕らは人として確実に大きくなっている。
国際通りに向かうもののやはり渋滞。早くオリオンビール飲みたいなっと思っていたところ、タクシーの運転手さんが急に問いかけてきました。
「金さん、銀さんとどっちと付き合いたい?」
金さん、銀さんを知らない方々に説明すると、長寿双子姉妹のおばあちゃんで共に100歳越えても超元気でテレビやコマーシャルにも出演し有名になった方々で何というかレジェンドです。
石原さとみと新垣結衣どちらと付き合い?みたいな質問より高度な話題です。すると後部座席に座った友人が即答。
「もちろん銀さんです」
「ハッハッハッ!やっぱりそうだよな!」
何がもちろんなのか、何がやっぱりなのかよくわからないですが頼もしい友人です。そのあとも何かと楽しい車内だったも思います。沖縄楽しすぎる。本当にありがとう。
謎のおじさん登場の巻
国際通りを到着したもののノープランな我々ですからアテもなくフラつくのみです。当時はまだガラケーなのでスマホでちょいと調べられる感じでもない。本当に調べていけよと思うのですが。
でかでかと「肉」みたいな看板があるお店の前でここにする?どうする?といい年した男がモジモジしていると
「そこは美味しくないよ!」
「。。。」
と謎のおじさん登場。仁王立ち。
人見知りな僕らは陽気な沖縄人に苦笑いで答える。そしてそのままやり過ごそうとすると
「店探してるんだったら美味しいお店紹介してあげるよ!」
僕らは確信します。これはキャッチだ。
今のように路上キャッチが規制される前。ぼったくりバーが流行してた時なので、確実に沖縄のぼったくりおじさんだと認識した僕らは苦笑いで会釈しながら「そうなんですねー」とか言って逃れようとします。それでも、
「君たちどっからきたの?」
と、並走しながらついてくるおじさん。
「あ、はい。京都です。」
「僕は京都でタクシー運転手してたのよ!美味しい所あるから紹介するよ!何が食べたい?」
人見知りで流されやすい僕ら。
「やっぱ沖縄料理ですかね。。」
とめちゃくちゃ普通のこと言う僕ら。ラーメン屋に入ってラーメン食べたいと行ってるレベル。美味しいお店あるからおいでおいでとおじさんが自然な感じで先導していきます。
みんなで目を合わせて頷きおじさんについていきますが心は一つ。
やばそうなら逃げる。
きっと1杯5000円くらいのオリオンビールとか1万円のゴーヤチャンプルのか食べさせられて気がついたら頼んでもいないのに美女に囲まれたりして最終的に1人5万くらい請求される可能性がある。
辿り着いた店が地下室とか少しでもやばい雰囲気を感じたら逃げる。そう思いながら心の中で靴紐をぐっとしばります。
「ここ、ここ。お兄さん4人いける?」
と店の中に入って僕らの人数を告げる。プラスおじさんの人数が入ってなくて少し安心。一緒に飲もうと言われたらどうしようと思った。
確実に入店することが決まってしまっている。やばい。一見普通の店のように見えるけどどうしようか、とりあえず入ってみるか。中に入ってみると、そこには未知の世界が存在していました。