初めての沖縄ひとり旅(1日目-5)孤独を背負う国際通りの夜

ゆいまーるの素晴らしさよ

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人見知りという個性を旅先で最大限発揮し国際通りの彷徨うゾンビだった僕は、波照間国際通り店さんの優しさに助けられ逃げるようにお店に飛び込みました。春先の沖縄。暖かな気候の中、冷や汗をかきながら孤独に怯えているのでした。

そんな中、店内の穏やかな雰囲気と共に、波照間さんが僕の脳内にこう呼びかけます。


「安心してこの空気を楽しんでも良いんだよ」


ここまで来るとだいぶヤバいやつなんですが、安心感も手伝ってお腹も空いて来てこの空気を楽しんでやろうという気持ちになってきました。わーい!

メニューを見てオリオンビール、ゴーヤチャンプル、海ぶどう、ラフテーあたり手当たり次第に注文します。もちろん一つ一つの料理はひとりに割り当てるためではないので、完全に量が多い。

もちろん話す人もいません。カウンターに座ってるのは自分と少し離れたところにカップルが座ってるくらい。ひとりで食べるには完全に多い料理を「僕大食いなんで」などという雰囲気を出しながら、何の躊躇もなくただひたすら食べ進めることになりました。正直お腹が空いていたので着々と食べ進めます。

ビールも手伝って完全に満腹。しかし入店して1時間も経ってない。ゆっくりと島唄ライブを楽しむ予定だったのに、この店に居る理由がなくなる。落ち着け。落ち着け。周りをキョロキョロしたりかなり怪しい男。そういえば、飛行機の中や海辺で読むようとして準備した小説を出しておもむろに読み出すことに決めました。

その時持ってきた小説は「スプートニクの恋人(村上春樹著)」
スプートニク号に乗せられたライカ犬のことを考えながらオリオンビールを飲み続けてるとだいぶ良いが回ってきました。もうどうにでもなれ。

そうこうしているうちに島唄ライブが始まりました。お姉さんと弟さんの姉弟ライブ。三線とお二人の歌が素晴らしい。他のお客さんはお喋りしながらあまり聴いてない様子でしたが僕はガッツリ聴いてました。話し相手がいないから。小さく手拍子とかしてた。歌って踊ることを目的に来た男の行動とは思えない。

その中で「ゆいまーる」という歌が印象的でした。

ゆいまーるとは、沖縄の方言で「助け合う」「共同作業」「一緒にがんばろう」といった意味の言葉。「共に栄えよう!」という思いを込めた、他者への呼び掛けでもあるそうです。


「ゆいまーる」は、「ゆい(結い)」と「まーる(廻る)」という言葉からできています。それぞれ「ゆい」は他人と結びつき、「まーる」は巡る順序がある、という意味だそう。

https://ryukyu.link/okinawa-yuimaaru/

僕はこの歌と意味に深く感銘を受け、沖縄の方の温かさの根源を感じることができました。沖縄の歌って素敵ですよね。何より歌ってるお姉さんが可愛いかったです。踊ることはなかったですがゆいまーるの言葉を耳に残し、お店を後にするのでした。

国際通りに彷徨うゾンビ再び

ゆいまーるのメロディを頭の中で繰り返しながら見事に泥酔。改めて孤独な国際通りの戦場へ送り出されるのですが、ライブで心が満たされたのか慣れたからなのか先ほどとは違い全身に安心感を感じています。

まだまだ帰りたくない。沖縄の夜を楽しみたい。

ただ、新たにお店に入るような感じでもない。そこまでの勇気はない。少し散歩してからホテルへ戻ろうと歩き出し、途中のローソンでオリオンビールを2つ買って、1つを飲みながら1つはコンビニの袋をぶら下げて国際通りを練り歩きます。

観光客の影も薄れ少し涼しくなった国際通り。どこかの店で行われている島唄ライブの音や、活気のある居酒屋の呼び込みや車の音。耳の奥ではひたすら「ゆいまーる」が繰り返し流れ続けている。改めて普段生活している場所から離れたことによる開放感が全身を包みます。

気づけば完全に迷子。位置関係がわからない。国際通り沿いのベンチ(今、坊屋春道が座っている所)に腰掛ける。もう帰れなくてもいいや。2本目のオリオンビールに手をかけひたすら国際通り周辺の路地を行ったり来たりと徘徊し続けておりました。

久茂地川沿いを歩くと松山の賑やかな街並みが見え隠れしてきたので、夜の徘徊を終えホテルに戻ることにします。

本気を出す松山の夜

(画像はイメージです)

松山に戻るとチェックイン時にはその表情を感じられなかった松山。スーパーサイヤ人になった「夜の街」松山がそこにありました。

一番驚いたのは山盛りのキャッチのお兄さん。ホテルの目の前のローソンに多分30人近くはいる。これは大袈裟でなくマジの30人。ローソンの前が真っ黒。コンビニでお茶などを購入するも中にもキャッチのお兄さんがいる。むしろキャッチのお兄さんしかいない。

外に出た時に一斉にキャッチを受けたらどうしよう。ドキドキしながらキャッチのお兄さんの集団の中をくぐり抜け、向かいにある本拠地であるホテルタイラさんに逃げ込むように到着しました。

自分の部屋に到着した僕は疲れとお酒で完全にボロボロの状態でした。このまま目を瞑れば今にも眠ってしまいそう、しかし自分の中では些細なことですが素晴らしい経験ができた夜だと感じています。そんな達成感を抱えながら、ここでも明日の予定をカモンです。

10:00-11:00 斎場御嶽へ移動
11:00-12:00 斎場御嶽でパワーをもらう
12:00-13:00 那覇市内へ移動
13:00-14:00 ハイウェイ食堂で昼食
14:00-15:30 お土産購入(主に自分の)とレンタカー返却
15:30-17:00 レンタカー返却手続き、空港移動など
17:00-19:00 関西国際空港へ
19:00-21:00 自宅へ

翌日はパワースポットで有名な斎場御嶽に向かいます。パワーをもらって新しい自分になるのです。その後は思い出のハイウェイ食堂に行って山盛りご飯を食べて、自分のお土産をたんまり買って帰りたいと思います。

いつもは昼まで寝て過ごす休日。休日もしっかり早起き出来るてしまうのが旅の素敵なところです。グデグデですがお水をたくさん飲んでスッキリ起きたいと思います。

一泊二日の旅なので早くも翌日が最終日。既に一日以上の長さを感じる旅です。明日も良い一日になることを願って眠りにつくのでした。

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初めての沖縄ひとり旅(2日目-1) 清々しい朝に訪れる悪い知らせ